目次 |
広島行き9時間耐久1本勝負を行ないますッ!
2004年5月1日(土) 名古屋市内の自宅を明け方4時過ぎに出発。天候は晴時々曇。漆黒の空にほぼ真ん丸の月が見えるが風が強い。名古屋郊外の一宮ICから名神高速に乗るがさすがGW。こんな時間になんという車の台数。視界前方に赤いブレーキランプが途切れることがない。80km/hを少々超える程度の私のバイクは次々と後続車に抜かれていく。 高速走行はデコボコタイヤで単気筒のオフバイクではまさに苦行。長距離用シートではないのですぐに尻のあたりが痛くなる。非力なエンジンは必死に咆哮して私の意思に応えてくれるがその代償に車体は激しく振動する。悪路用ブロックパターンのタイヤも車体を左右に揺らせハンドルは勝手に進路を変更する。しかも今日は強烈な向かい風でまっすぐ走るために両腕と膝には自然と力が入る。
高速に乗って30分ほどで早くもめげ、養老SAで小休止。この大垣市周辺は本州の山脈が途切れる、いわば風の通り道で年中こんな風が吹いている。特に冬に吹く風を近くの伊吹山にちなんで「伊吹颪」というらしい。今日のも強烈な「息吹」だ。 えーなあ……はあと関が原トンネルを抜けて滋賀県に入ると強風はやみ、下り坂であることも手伝って一気に快適な走行になった。しかし日が昇ってしばらく経つのにかなり冷え込む。また休憩したくなるところをガマンして一気に京都府に。ここからは片道3、4車線になる。大山崎近辺で進路が左ルートと右ルートに分かれる。渋滞が予想されるICを避けるため右ルートを選択。と、すぐ右側に竹の子を発見!おお〜、本当に見えるんだぁ!と感動。いや、週刊モーニングの「バーバーハーバー」にで出てきた話。この周辺で竹の子が少しずつ成長している様子が阪急電車から見えるらしいと。 吹田JCTで大渋滞の最後尾に到着。中国道の豊中ICまでずっと車列が続いているようだが、ここは二輪の特権であるすり抜けを慣行。渋滞先頭まで時速50km/h程度で流す。すり抜け中、進行右側の巨大な太陽の塔にごあいさつ。えーなあ……はあと(メルへん)。 宝塚IC近辺では兵庫県警のパトカー数台が合流車に睨みをきかせており、路肩走行のバイクが目の前で餌食になっていた。私も実はその…なんだ、そこを走っていたのだが、パトカーの手前数百メートルでガードレールに身を隠す警官を目ざとく発見。すぐさま車線に復帰し何食わぬ顔で通過した。
合流を過ぎると車が流れ始めた。渋滞を抜けた西宮名塩SAで給油。名古屋を出てから約200kmの地点。このDJEBELはオフ車にしては珍しく17Lもガソリンを搭載できる(予備タンク込み)。燃費は一般道で35km/Lと大変優秀。残量計が付いてないのでおよそ満タン後300kmを目安に給油することにしている。 走り出す前に少し身支度を調整。インナーに長袖長ズボンを追加装着。かなり陽が高くなってきたというのに体はすっかり冷え切ってしまった。車から降りてくる人たちはほとんど半そでなのに、ライダーは全員厚着。風速1m/sで約1度下がるというリンケの体感温度の式によれば時速100km/hでは21度も体感温度が下がることになるらしい。 中国山地を東西に横断する中国道は勾配やカーブによって80km/h制限区間が多いため、高速道路にしては退屈しない。途中の津山・美作近辺の道の駅「久米の里」にでっかいZガンダムがいるとのことが、それを知ったのは帰ってきてから。知ってれば寄ったのになぁ。 銀水村探索 その1目的地西城への最寄IC東城は広島・岡山県境にある。美作の手前から岡山県に入り、この1県を横断すれば目的地ということで俄然意気も上がる。岡山県を半分以上走った大佐(おおさ)SAで昼飯休憩。ここで豆腐ハンバーグと麦トロ飯を食う。お値段880円の割には量も味も満足。最近のSA・PAって本当によくなったと実感。ラストひとっ走りして東城ICで中国道を降りる。ここからいよいよ銀水村紀行の始まり。 銀水弘前駅と美鶴様の場所は国土地理院提供の地形図WEBサービスにより明確にわかっているので、そこには明るいうちに到着すればよい。今日わざわざバイクでやって来た最大の目的は「村入口」と「橋」のモデルを探すこと(さすがに民家の敷地内にありそうなはるかの実家は対象外)。いずれも街道沿いにありそうで、中国山地真中の西城町周辺ではそれだけでもグっと対象が絞られる。もちろん西城町にあればの話だが。 昼下がりの山あいの町、東城から国道341号線を北に向かって走り始める。今まで100km/h前後で高速道路をぶっ飛ばしてきた我が愛車も片側1車線のフツーの国道をトコトコ走るほうが性に合っている。このバイクはダート向きだけど今回のターゲットには関係なさそう。「村入口」は分かりにくいが「橋」の方はバイクを走らせながらでも容易に探せる。橋を渡ってすぐ右に上り始める地形も限られている。車通りも少ない国道を走り始めて10分程度でそれらしい橋を発見。おっ!これか!?とバイクを降りて周囲をつぶさに観察する。が、ここではないな。橋を渡ってからの右カーブが緩やか過ぎる。 橋の実写画像が設定資料集96ページ左上に薄い印刷で掲載されている。それによると40km/h制限のある上下2車線の道路で、橋を渡ってすぐに右に曲がって坂を登っている。橋はさほどの長さはなく欄干の横桁が4段…までは覚えている。覚えている…とは、実は手元にその肝心の設定資料集がない。バイクだから荷物を極力減らすため…ではなくて単に忘れただけ。なかなか来れない場所だというのに情けない。かすかな記憶を頼りに次なる候補を探す。
芸備線駅近くを過ぎたところで下り坂に。いい具合に左カーブした直後に橋があった。ここかっ!?場所は西城町からはかなり離れた備後落合駅近く。周囲には十数戸の農家。もしや「村入口」もこの辺りかと期待も膨らむがそちらの方はほとんど記憶にない。一方この橋は曲線といい勾配具合といいかなり特徴を捉えている。とりあえず数カットデジカメに収め、さらに橋を川がわから眺めるべく周囲を散策する。はるかと砂緒さんが語り合った橋はここなんだろうか…。 銀水村探索 その2183号線を南下。銀水弘前駅のモデルとなった比婆山駅に向かう。西城川を挟み並んで走っていた芸備線が国道に寄り添ってきたところに駅はあった。駅のすぐ前には国道183号線。駅構内には消防団の建物があったり道路をはさんだ目の前には食料品店があったり、しんしんと雪降る人っ子一人いない銀水弘前駅に比べると、今日が夏のような陽気であることもあり、ずいぶんと賑やかに感じる。もしこの地を訪ねる方がいたら、くれぐれも車に気をつけて頂きたい。結構なスピードで大型車が通過しているのだ。
駅前にバイクを停め、駅舎に入ってみる。時刻表を見ながらJRのローカル線は大胆に本数が少ないなぁと驚いていると踏切警報音が。1分と経たないうちに列車がやって来た。1両のワンマンディーゼルカーで、入口の扉がバスみたいに折り畳んで開閉する方式。乗降客もなく短い停車時間で走っていってしまった。
さて、いよいよ美鶴様のある西城町へ。人口5000人の町で、町営の病院や温水プール等もあり銀水村のような秘境っぽい印象はない。しかし約50年で人口が半減してしまった過疎の町である。広島県比婆郡西城町といえばもうずいぶん昔、類人猿ヒバゴンが出たことで話題になった町。ゲーム中でもクレーンゲームでヒバゴンそっくりの「ヒバゴン」というぬいぐるみが取れたり、HIVAという映画で猿が出てきたり、それらしいヒントは出ていた。
美鶴様はそこから徒歩2、3分。目印のキヤマ煙突は地元の造り醤油屋さんのもので、その西側に神社がある。お隣さんに新築の建物があるため煙突と神社をゲームや設定資料集中の通りには撮影できないが、確かにここは美鶴様。はるかが隠れるのによくつかった場所も実にあっさりと見つかった。つか、ここに居たって隠れるって言わない(笑)。 さて橋のモデルと村入口の探索を続行しよう。先ほどの橋はどことなく違う感じがする(事実、違った)。めぼしい道と言う道をバイクで這いずりまわったが見つからず。見落としたかもしれないのでもう一度東城町へ戻ることにした。まだ走っていなかった道を選んだが、すぐに急勾配の林道のような風体になってしまった。そんな道を、山の中腹にある採石場の大型ダンプが埃を舞い上げて何台もやってくる。すれ違うたびに体が真っ白になっていくような感じ。そうまでして東城に戻るも結局目当てのものは見つからず。そろそろ陽が傾いてきたので探索を断念し、宿のある三次市に向かうことにした。 もうひとつの目的
2004年5月2日(日) 実はこの紀行、リフラブとは関係のないもうひとつの重大な目的があった。それは、 サワラ サワラー王国でもサワラプリンセスでも早良でもない、鰆。岡山では鰆の寿司や刺身を食べると言う話を聞いたので、早速食べに来たというわけ。鰆って焼き魚しか思いつかないんだがどんな味なのだろう。それも寿司は全国で岡山だけ(隣接する広島でも刺身は食べるらしい)とはなんとも面白い。それが「サワラ」だったのはもちろん単なる偶然である。ちなみに昨晩食べたサゴシは体長60cm以下の鰆の呼び名らしい。クセのない白身だが風味が豊かで大変うまかった。 11時過ぎに国道184号線で尾道に到着。駅の目の前は瀬戸内海だが、向島という島があって川のように見える。あちこちから出ている渡船がいい雰囲気だ。
ご当地の尾道ラーメンにて軽く腹ごしらえ。久々に食べた醤油味のラーメン、賛否分かれるところだが、トンコツに慣れた私には行列してまでも食べるかなぁという感じ。もっとも私は行列してラーメンを食べること自体が嫌いなのでそう思ったのかも。 時間が惜しかったので泣く泣く山陽高速道に乗り倉敷で降りる。美観地区と言う蔵屋敷の並ぶ街並み保存地域があるがあっさりパス。人の手が恣意的に入ったテーマパークのような町にはあまり興味が湧かない。
ほどなく岡山に入る。岡山駅前から始まる、路面電車もある桃太郎通りの歩道にバイクを停め、鰆を目指す。岡山は鰆の一大の消費地で、約3割が岡山県民の胃に消えるという。しかも全国ここだけの貴重な刺身がスーパーでも買えるとかで、実際、岡山駅前のダイエーの地下鮮魚コーナーにも売っていた。 なんとか帰ってきた〜?…??……キーを差込むとメーターが点くはずだが、点かない。あれ?なに、こんなところで。バイクって動かなくなっちゃうの??これから名古屋まで戻らなきゃいけないんだけど……。う〜む、さっきまで快適に走っていた愛車が、今はウンともスンとも言わない。やむを得ず伝家の宝刀「マイツーリングパスポート」をギラリと抜く。そう、この愛車は全国チェーンレッドバロンで買ったものなのだ。もちろん盗難保険も入ってるよ、チェーンタイプのヤツ。一番近いレッドバロン岡山に早速電話。岡山駅前という場所もラッキーで30分ほどで色白の文系イメージバリバリのメカマンが到着。でも仕事はさすがプロ。結局ヒューズが飛んだだけだったが、見せてもらったヒューズは飛んだというより爆裂したという感じ。
ともかくバイクも動くようになりこの後、鰆を食べに寿司屋に。路面電車としばらく併走して岡山の中心街田町に向かう。バイクを停め、しばらく商店街をウロウロしたところで1軒のウナギの寝床のような寿司屋に入った。
夕日に照らされた岡山を離れ、国道2号線とバイパスを使って神戸まで。姫路SAにて小休止してシャコ天うどんで腹ごしらえ。大阪あたりはリフラブと福岡にハマる以前によく遊びに来ていたので地名も見慣れたもの。あと300kmも残しているというのに、なんだかすぐ家の近くに帰ってきたような気がした。
|